ヘッドセットマイク選びで迷っていませんか。講演や舞台、フィットネス、放送・実況の現場で、両手を空けて口元との距離を保ちながら話したい、あるいはハウリングを抑えながら大きな会場で声を通したい、という場面は少なくありません。
ヘッドセットマイクは、耳掛けや前掛けのフレームでマイクを口元に固定して、両手を空けたまま話せる音声マイクです。襟元に留めるピンマイクとは装着方式が異なります。講演・司会で安定した拡声を取りたいならカーディオイド(単一指向性)のSHURE SM35/AKG C520/SENNHEISER HSP 4、舞台・ミュージカルで動き回るならオムニ(全指向性)のDPA 4066やCountryman E6 Directional Earset、フィットネスや汗の多い現場では耐久性のあるSHURE WH20XLR/WH20TQG、放送・実況ではヘッドフォン一体型のAudio-Technica BPHS1が候補に入ります。
本記事では、Sound Picks編集部が現場で扱った経験を踏まえ、定番9機種を公式仕様で横並びに整理し、用途別の第一候補まで提示します。指向性の基礎は「単一指向性マイクとは」で確認できます。
INDEX≡目次
- 1ヘッドセットマイクは「指向性と接続方式」で選ぶ|まず用途別の目安
- ►ヘッドセットマイクとピンマイクの違い
- ►用途別の目安
- ►4つの実務軸:指向性・接続方式・用途・音質グレード
- 2失敗しないヘッドセットマイクの選び方|4つの軸で絞る
- ►① 指向性(カーディオイド/オムニ/ハイパーカーディオイド)
- ►② 接続方式(XLR/TQG(TA4F)/3.5mm/LEMO3)
- ►③ 用途と耐汗・固定性
- ►④ 音質グレード(プロ放送/業務/エントリー)
- 3ヘッドセットマイクのスペックの読み方
- ►指向性は「ハウリング前の余裕」で考える
- ►周波数特性と感度
- ►最大SPLとファンタム電源
- ►接続コネクタ
- 4ヘッドセットマイクおすすめ9機種を公式スペックで横並び比較
- ►講演・司会向け:SHURE SM35、AKG C520、SENNHEISER HSP 4、Audio-Technica ATM75
- ►ワイヤレス送信機との組み合わせ向け:SHURE WH20TQG、SENNHEISER ME 3-II、Countryman E6 Directional Earset
- ►フィットネス・スポーツ向け:SHURE WH20XLR
- ►舞台・ミュージカル向け:DPA 4066 CORE+
- ►放送・実況向け:Audio-Technica BPHS1
- 5用途別の最終おすすめ
- ►講演・司会
- ►舞台・ミュージカル
- ►フィットネス・スポーツ
- ►放送・実況/配信ナレーション
- 6よくある質問(FAQ)
- 7まとめ
ヘッドセットマイクは「指向性と接続方式」で選ぶ|まず用途別の目安
ヘッドセットマイク選びの出発点は、指向性(カーディオイド/オムニ)と接続コネクタ(XLR/TQG(TA4F)/3.5mm/LEMO3)です。指向性は会場のハウリング耐性を決め、接続コネクタは既存のミキサーやワイヤレス送信機との整合性を決めます。まず用途と環境に当てはめてから機種を見ると、候補が一気に絞れます。
ヘッドセットマイクとピンマイクの違い
ヘッドセットマイクとは、耳掛けや前掛けのフレームでマイクカプセルを口元に固定し、両手を空けたまま発声できる音声マイクのことです。襟元にクリップで留めるピンマイク(ラベリアマイク)と比べると、口元との距離が固定で動かないため、声量や音色の安定性が高くなります。装着の見た目を抑えたい現場ではピンマイクが、口元距離の安定や激しい動きが必要な現場ではヘッドセットマイクが向きます。ピンマイクの選び方は「ピンマイクのおすすめ」で扱っています。
用途別の目安
おおまかな目安として、講演・司会はカーディオイド+XLR直挿し(またはワイヤレス送信機との組み合わせ)、舞台・ミュージカルはオムニ+ワイヤレス送信機、フィットネス・スポーツは耐汗のダイナミック型、放送・実況はヘッドフォン一体型が基本軸です。会場のPAスピーカーが近接する場面ほど、カーディオイドが無難です。
ハウリングに強い
例:SHURE SM35/C520/HSP 4/ATM75
装着位置の自由度
例:DPA 4066 CORE+
汗・激しい動きに強い
例:SHURE WH20XLR/WH20TQG
モニター返し前提
例:Audio-Technica BPHS1
4つの実務軸:指向性・接続方式・用途・音質グレード
本記事では、指向性・接続方式・用途・音質グレードの4点を繰り返し使う実務軸として置きます。カタログのスペック数値だけ眺めても、PAシステムやワイヤレス送信機との接続が合わなければ運用できません。先に運用環境を確認するのが現実的です。
失敗しないヘッドセットマイクの選び方|4つの軸で絞る
ヘッドセットマイクは、指向性・接続方式・用途・音質グレードの4軸で絞ると機種が自然に決まります。どれか一つだけで選ぶと、現場で「ハウリングが止まらない」「送信機に挿せない」といった問題に気づく場面が出てきます。4つをまとめて検討するのが無難です。
① 指向性(カーディオイド/オムニ/ハイパーカーディオイド)
第一の軸は、指向性です。カーディオイド(単一指向性)はマイク正面方向の音を主に拾い、後方や側方からの音を抑える特性で、PAスピーカーが近い会場でハウリングに強く出ます。オムニ(全指向性)は360度全方向の音を拾うため、装着位置を厳密に合わせなくても声量が安定する一方、PAスピーカーから直接音が入るとハウリングしやすくなります。ハイパーカーディオイドはカーディオイドよりさらに正面に絞り込んだ特性で、Countryman E6 Directional Earsetのようにキャップを交換して指向性を切り替える機種もあります。
② 接続方式(XLR/TQG(TA4F)/3.5mm/LEMO3)
第二の軸は、接続方式です。XLR直挿しはミキサーやアンプ直結で、コンデンサー型の場合はファンタム電源を要するモデルもあります。TQG(TA4F)はSHUREのワイヤレス送信機(QLXD・ULXD・GLXD・BLX等)向けの4ピンコネクタです。3.5mmミニジャックはSENNHEISER evolution wirelessのSK送信機(EW・EW-D・EW-DX)向け、LEMO3は同社2000・5000シリーズの送信機向けに使われます。同じヘッドセット機種でも末尾コードでコネクタが分かれるため、購入時に運用する送信機の型番と合わせて選ぶのが現実的です。
③ 用途と耐汗・固定性
第三の軸は、用途による耐汗・固定性の要件です。フィットネスやスポーツでは汗に強いダイナミック型が定番で、SHURE WH20XLRは堅牢な作りで長く使われています。ミュージカルや舞台では頬骨上に固定するオムニ型のDPA 4066が、髪をかぶせて見えなくしながらも口元距離が安定します。講演・司会は1〜2時間装着しても痛みが出にくい軽量機種が向いています。
④ 音質グレード(プロ放送/業務/エントリー)
第四の軸は、音質グレードです。プロ放送・ブロードウェイ級はDPA 4066とCountryman E6 Directional Earset。業務・PA用はSHURE SM35、AKG C520、SENNHEISER HSP 4、Audio-Technica ATM75。エントリー・汎用はSHURE WH20XLR/WH20TQG、SENNHEISER ME 3-IIです。
Sound Picks編集部が講演現場でPAスピーカーがステージ前列にせり出した会場を担当した際、最初にオムニ型ヘッドセットを使ったところハウリングマージンが取れず、カーディオイドのSHURE SM35に切り替えてから安定しました。PAスピーカーの位置と指向性の組み合わせは、機種選定の前段で確認しておくと無難です。
ヘッドセットマイクのスペックの読み方
ヘッドセットマイクのカタログは、指向性・周波数特性Hz・感度(mV/Pa または dBV/Pa)・最大SPL・ファンタム電源要否・接続コネクタ・本体重量の7点を押さえると読み解けます。数値はメーカー公式仕様を出典として確認するのが現実的です。
指向性は「ハウリング前の余裕」で考える
指向性は、ハウリング前の余裕(ゲインビフォーフィードバック)で評価するのが実務的です。カーディオイドはマイク背面の音を抑えて、PAスピーカーから戻ってくる音を取りにくくします。オムニはマイク向きを問わないため演者が頭を動かしても音量が安定する反面、PAスピーカーから直接音を拾うとハウリングします。会場にPAスピーカーが近接する場合はカーディオイド、装着位置の自由度を取りたい場合はオムニが向いています。
周波数特性と感度
周波数特性は、声の主帯域100Hz〜10kHzでフラットか、プレゼンス(中高域の持ち上げ)があるかを見ます。SENNHEISER ME 3-IIは50Hz〜18kHz・感度1.6 mV/Pa、AKG C520は60Hz〜20kHz・感度5 mV/Pa、SENNHEISER HSP 4は40Hz〜20kHz・感度4 mV/Pa、DPA 4066 CORE+は20Hz〜20kHz・感度6 mV/Paといった具合に、機種ごとに帯域とプレゼンスが異なります(各社公式仕様)。感度の数値が大きいほど、同じ音圧でより大きな出力電圧を返します。
最大SPLとファンタム電源
最大SPLは、マイクが歪まずに収録できる音圧の上限です。SHURE SM35は153dB、SENNHEISER ME 3-II/HSP 4は150dB、DPA 4066 CORE+は134 dB RMS/137 dB peak(いずれも1%THD時)と、コンデンサー型は概ね130dB台後半以上を確保しています(各社公式仕様)。ファンタム電源は、コンデンサー型の動作に必要な+11V〜+52Vの直流電源で、ミキサー側のファンタム供給やワイヤレス送信機の内部電池で代替されます。ダイナミック型のSHURE WH20XLRはファンタム電源不要で、簡易PAでも扱いやすい設計です(SHURE公式仕様)。
接続コネクタ
接続コネクタは、運用するシステムとの整合性を決めます。XLR直挿しは固定設備のミキサー直結、TQG(TA4F)はSHUREワイヤレス送信機、3.5mmはSENNHEISER evolution wirelessのSK送信機、LEMO3はSENNHEISER 2000系・5000系送信機が主な接続先です。同じ機種でも末尾コード(-TQG、-EW、-3、-AK等)でコネクタが分かれるため、送信機の型番と合わせて選定するのが現実的です。
Sound Picks編集部が小規模ミュージカル公演でDPA 4066のオムニ型を演者に装着した際、頬骨上にカプセルを置いて髪をかぶせ、口元との距離は保ちながら見た目を抑えられました。オムニ型は装着位置の自由度が大きく、舞台衣装や髪型に合わせて隠す運用に向きます。ワイヤレス送信機側の選び方は「ワイヤレスマイクのおすすめ」も参考になります。
ヘッドセットマイクおすすめ9機種を公式スペックで横並び比較
ヘッドセットマイクの候補は、用途別に5グループに整理すると選びやすくなります。講演・司会向け(XLR直挿しコンデンサー)、ワイヤレス送信機との組み合わせ向け、フィットネス・スポーツ向け、舞台・ミュージカル向け、放送・実況向けの5つです。実勢価格は各販売店でご確認ください(2026年6月時点の参考)。
| 機種 | 指向性 | 周波数特性 | 感度 | 最大SPL | 接続 | 本体重量 | ファンタム |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| SHURE SM35 | カーディオイド・コンデンサー | 50Hz〜20kHz | −59 dBV/Pa(1.10 mV/Pa) | 153dB | XLR(プリアンプ経由) | 72g | +11〜52V |
| AKG C520 | カーディオイド・コンデンサー | 60Hz〜20kHz | 5 mV/Pa | 130dB(1%THD) | XLR | 26g | 9〜52V |
| SENNHEISER HSP 4 | カーディオイド・コンデンサー | 40Hz〜20kHz | 4 mV/Pa | 150dB | 末尾コードで指定 | 公式は明示なし | 要 |
| Audio-Technica ATM75 | カーディオイド・コンデンサー | 100Hz〜13kHz | −51 dB(2.8 mV) | 公式に明示なし | XLR(パワーモジュール経由) | 本体60g+モジュール139g | 11〜52V |
| SHURE WH20TQG | カーディオイド・ダイナミック | 50Hz〜15kHz | 公式に明示なし | 公式に明示なし | TA4F(TQG) | 63g | 不要 |
| SENNHEISER ME 3-II | カーディオイド・コンデンサー | 50Hz〜18kHz | 1.6 mV/Pa | 150dB | 3.5mmミニ | 約77g | 送信機側 |
| Countryman E6 Directional Earset | ハイパー〜カーディオイド(キャップ交換) | 30Hz〜15kHz | W5/W6/W7で異なる | 125/135/145dB | 末尾コードで指定 | 約2g | 送信機側 |
| SHURE WH20XLR | カーディオイド・ダイナミック | 50Hz〜15kHz | 公式に明示なし | 公式に明示なし | XLR(3ピン) | 98g | 不要 |
| DPA 4066 CORE+ | オムニ | 20Hz〜20kHz | 6 mV/Pa | 134dB RMS/137dB peak | 末尾コードで指定 | 公式に明示なし | 送信機側 |
| Audio-Technica BPHS1 | カーディオイド・ダイナミック(マイク)/密閉40mm(ヘッドフォン) | マイク40Hz〜20kHz/ヘッドフォン20Hz〜20kHz | 公式に明示なし | 公式に明示なし | XLR+1/4″ TRS | 264g | 不要 |
講演・司会向け:SHURE SM35、AKG C520、SENNHEISER HSP 4、Audio-Technica ATM75
講演・司会で安定した拡声を取りたい場合、ハウリングに強いカーディオイドのコンデンサー型が向いています。
SHURE SM35はカーディオイド・コンデンサー、周波数特性50Hz〜20kHz、感度-59 dBV/Pa(1.10 mV/Pa)、最大SPL 153dB、ファンタム+11〜52V、本体72gの仕様です(SHURE公式仕様)。タイトなカーディオイド指向で、ステージ上のオフアクシス音を抑えてハウリングマージンを稼ぐ設計。コンデンサー型でゲインを稼げる一台。
AKG C520はカーディオイド・コンデンサー、周波数特性60Hz〜20kHz、感度5 mV/Pa、最大SPL 130dB(1%THD)、ファンタム9〜52V、本体26gの仕様です(AKG公式仕様)。26gの軽量設計で、1〜2時間の講演でも装着の負担が少ない構造になります。
SENNHEISER HSP 4はカーディオイド・コンデンサー、周波数特性40Hz〜20kHz、感度4 mV/Pa、最大SPL 150dBの仕様です(SENNHEISER公式仕様)。LEMO3/3.5mmなどコネクタを末尾コードで指定する形式で、SENNHEISERのワイヤレス送信機との組み合わせにも使われます。
Audio-Technica ATM75はカーディオイド・コンデンサー、周波数特性100Hz〜13kHz、感度-51 dB(2.8 mV)、ファンタム11〜52V、本体60g+専用パワーモジュール139gの仕様です(Audio-Technica公式仕様)。80Hz以下に18dB/octの低域ロールオフが入っているため、口元近接時の低域の膨らみを抑えられます。
ワイヤレス送信機との組み合わせ向け:SHURE WH20TQG、SENNHEISER ME 3-II、Countryman E6 Directional Earset
ワイヤレス送信機との組み合わせ前提なら、コネクタが送信機と一致する機種を選びます。
SHURE WH20TQGはカーディオイド・ダイナミック、周波数特性50Hz〜15kHz、4ピンTQG(TA4F)コネクタ、本体63gの仕様です(SHURE公式仕様)。SHUREのQLXD・ULXD・GLXD・BLXなど主要ワイヤレス送信機にそのまま接続できます。ダイナミック型のためファンタム電源は不要です。
SENNHEISER ME 3-IIはカーディオイド・コンデンサー、周波数特性50Hz〜18kHz、感度1.6 mV/Pa、最大SPL 150dB、3.5mmミニジャック、本体約77 gの仕様です(SENNHEISER公式仕様)。SENNHEISER evolution wirelessのSK 100/300/500およびEW-D・EW-DXのSK送信機向けの定番で、フィットネス・スポーツ用途でも使われます。
Countryman E6 Directional Earsetはハイパー〜カーディオイド(キャップ交換式)、周波数特性30Hz〜15kHz、感度6.0 mV/Pa(W5)/1.9 mV/Pa(W6)/0.60 mV/Pa(W7)、最大SPL 125/135/145dB、本体わずか2gの仕様です(Countryman公式仕様)。コネクタは末尾コードでSHURE TA4F・SENNHEISER 3.5mm/LEMO・AKGなど各社送信機向けに選択する形式。極細フレームで装着感を抑える設計で、テレビや劇場で使われます。
フィットネス・スポーツ向け:SHURE WH20XLR
フィットネスや汗の多い現場には、ダイナミック型で堅牢な作りの機種が向いています。SHURE WH20XLRはカーディオイド・ダイナミック、周波数特性50Hz〜15kHz、3ピンXLRコネクタ、本体98g、ファンタム電源不要の仕様です(SHURE公式仕様)。SHUREの定番ダイナミック・ヘッドセットで、フィットネスインストラクター・体育系の現場で長く使われています。XLR直挿しで簡易PAアンプにすぐ繋げる点も実用的です。
舞台・ミュージカル向け:DPA 4066 CORE+
舞台・ミュージカルや劇場系では、オムニ・プロ放送グレードのDPA 4066 CORE+が定番です。DPA 4066 CORE+はオムニ、周波数特性20Hz〜20kHz、感度6 mV/Pa、最大SPL 134 dB RMS/137 dB peak(いずれも1%THD時)、コネクタ末尾で各社ワイヤレス送信機向けに選択する仕様です(DPA公式仕様)。ブロードウェイ作品や大規模ライブシアターで実績が多く、頬骨上にカプセルを固定して髪で隠す運用に向きます。装着位置の自由度が高いオムニ型ながら、舞台用のしっかりしたアーマチュア設計です。
放送・実況向け:Audio-Technica BPHS1
放送・実況やeSports実況には、ヘッドフォン一体型のAudio-Technica BPHS1が向いています。マイクは40Hz〜20kHzのカーディオイド・ダイナミック、ヘッドフォンは20Hz〜20kHz・密閉型40mmドライバー、本体264gの仕様です(Audio-Technica公式仕様)。実況席でモニター返しを聞きながら話す用途に最適化されています。
用途別の最終おすすめ
ここまでの4軸と公式仕様を、用途別の第一候補に落とし込みます。現場の機材構成や演者の動きによって最適解は変わるため、迷ったら下の対応で当たりをつけてください。
講演・司会
講演・司会では、ハウリングに強いカーディオイド型が第一候補です。XLR直挿しで固定設備に組み込むならSHURE SM35、長時間の講演で装着の軽さを優先するならAKG C520が向いています。低域の膨らみを抑えたいプレゼンや経営者の講演にはAudio-Technica ATM75の低域ロールオフも選択肢に入ります。
舞台・ミュージカル
舞台・ミュージカルでは、装着位置の自由度と髪に隠す運用が要件になります。プロ放送グレードのDPA 4066と、極小フレームのCountryman E6 Directional Earsetが定番です。ワイヤレス送信機側の選び方は「ワイヤレスマイクのおすすめ」を参考にしてください。
フィットネス・スポーツ
フィットネスやスポーツ系の現場では、耐汗・堅牢のSHURE WH20XLR(XLR直挿し)、またはWH20TQG(SHUREワイヤレス送信機向け)が候補です。SENNHEISER ME 3-IIも軽量で扱いやすく、evolution wirelessのSK送信機と組み合わせる構成に向いています。
放送・実況/配信ナレーション
放送席や実況、eSports実況、配信ナレーションでは、ヘッドフォン一体型のAudio-Technica BPHS1が定番です。返しを片耳で聞きながら話す運用に最適化されており、実況卓にそのまま据えやすい構成です。
よくある質問(FAQ)
Q1:XLR直挿しのコンデンサー型はワイヤレス送信機にも使える?
XLR直挿し用のコネクタは、SHUREやSENNHEISERのワイヤレス送信機には直接挿さりません。同じ機種でも末尾コード(SHURE系はTA4F、SENNHEISER evolution系は3.5mm、SENNHEISER 2000系はLEMO3、AKGはmini-XLR)でコネクタが分かれるため、送信機の型番と合わせた型番を選びます。SENNHEISER HSP 4やCountryman E6のように、ワイヤレス送信機ごとに別型番を用意するメーカーが多いです。
Q2:単一指向性(カーディオイド)と全指向性(オムニ)の選び方は?
PAスピーカーが近い会場や、ハウリングマージンを稼ぎたい現場ではカーディオイドが向いています。装着位置の自由度を取りたい舞台・ミュージカルや、演者が頻繁に頭を動かす現場ではオムニが向いています。指向性の基礎は「単一指向性マイクとは」で解説しています。
Q3:講演現場でハウリングを抑える基本は?
カーディオイド型のヘッドセットを選び、PAスピーカーをマイク背面側(装着者の前方)に置き、口元との距離を一定に保つ3点が基本です。それでも止まらない場合は、ミキサーのEQで該当周波数を狭くカットします。詳しくは「ハウリング対策」で扱っています。
Q4:ワイヤレス送信機とヘッドセットの互換性は?
主な対応は、SHUREワイヤレス送信機(QLXD・ULXD・GLXD・BLX等)はTQG(TA4F)コネクタ、SENNHEISER evolution wireless(EW・EW-D・EW-DX)は3.5mmミニジャック、SENNHEISER 2000系・5000系はLEMO3、AKGはmini-XLR(3ピンTA3F)です。Countryman E6のように、同じ機種で各社向けの型番が用意されている場合は注文時に送信機を指定します。
Q5:汗で壊れない機種は?耐久重視はどれ?
ダイナミック型のSHURE WH20XLRおよびWH20TQGは、コンデンサー型と比べて汗や湿気に対する許容度が高く、フィットネス・スポーツ系で長く使われています。Countryman E6には耐水・耐風カプセルのオプションがあり、屋外や激しい運動を伴う現場でも使われています。
Q6:ピンマイクとヘッドセットの使い分けは?
装着の見た目を抑えたい現場や、演者がスーツ着用の式典・記者会見ではピンマイクが向きます。口元距離の安定や両手を空けて動き回る現場(講演・舞台・フィットネス)ではヘッドセットが向きます。ピンマイクの選び方は「ピンマイクのおすすめ」で扱っています。
まとめ
ヘッドセットマイクは、①指向性(カーディオイド/オムニ/ハイパーカーディオイド)、②接続方式(XLR/TQG(TA4F)/3.5mm/LEMO3)、③用途と耐汗・固定性、④音質グレード(プロ放送/業務/エントリー)の4軸で絞ると機種が決まります。ハウリング耐性はカーディオイド、装着自由度はオムニで差が出ます。
用途別の第一候補は次のとおりです。講演・司会はSHURE SM35/AKG C520/SENNHEISER HSP 4/Audio-Technica ATM75。舞台・ミュージカルは装着自由度の高いDPA 4066 CORE+と極小フレームのCountryman E6 Directional Earset。フィットネス・スポーツは耐汗のSHURE WH20XLR/WH20TQG/SENNHEISER ME 3-II。放送・実況/配信ナレーションはヘッドフォン一体型のAudio-Technica BPHS1が候補に入ります。
ワイヤレス送信機との互換性は機種ごとに末尾コードで分かれるため、送信機の型番と合わせた型番を選ぶのが現実的です。指向性の基礎は「単一指向性マイクとは」、送信機の選び方は「ワイヤレスマイクのおすすめ」、ハウリングの抑え方は「ハウリング対策」、姉妹形式のピンマイクは「ピンマイクのおすすめ」も合わせてご覧ください。実勢価格は各販売店でご確認ください(2026年6月時点の参考)。