配信機材のおすすめ構成|マイクからモニターまで現場目線で選ぶ

2026.05.30
配信・録音機材

配信の音質を上げたいとき、何から手をつければよいか迷っていませんか。機種のランキングを眺めても、自分の配信スタイルに合う一台はなかなか見えてきません。

配信機材は「マイク→I/F(オーディオインターフェース)→ミキサー→モニター」という信号の流れに沿って揃えるのが基本です。最初に決めるのは、USBマイクで完結させるか、I/F+XLRマイクで組むかという分岐になります。

本記事では、SHURE MV7・SM7B、Focusrite Scarlett Solo、UA(Universal Audio)Volt 176、YAMAHA MG10XU、HS5を、各メーカーの公式仕様とともに位置づけます。ループバックや最大ゲインといった配信特有の選定軸、予算別のセット例まで、Sound Picks 編集部が現場目線で整理します。

読み終えるころには、揃えるべき機材の順番が見えているはずです。

INDEX目次

配信機材は「マイク→I/F→ミキサー→モニター」の順で揃える

配信機材は、音が通る信号の流れの順に揃えるのが基本です。マイクで声を拾い、I/Fでデジタルに変換し、複数音源があればミキサーでまとめ、モニターで仕上がりを確認します。この順番を意識すると、いま自分に何が足りないかが見えてきます。

図:配信機材は信号の流れの順にそろえる
1
マイク
声を拾う。USB完結かXLR(要I/F)かをまず選ぶ
2
オーディオインターフェース(I/F)
アナログ音声をデジタル化しPCへ。ループバック対応が鍵
3
ミキサー
複数音源をまとめる。一人配信では任意
4
モニター(ヘッドホン/スピーカー)
仕上がりを正しく確認する

信号の流れで考えると、必要な機材が見えてくる

配信の音声は、マイクで拾った声をI/Fでデジタル化し、必要に応じて卓でまとめ、モニターで確認するという経路をたどります。I/F(オーディオインターフェース)とは、アナログの音声信号をデジタルに変換してパソコンへ送る機材のことです。この流れのどこにボトルネックがあるかを見れば、優先して投資すべき機材が判断できます。

USBマイク完結か、I/F+XLRマイク構成かで最初に分かれる

最初の分岐は、USBマイクで完結させるか、I/F+XLRマイクで組むかです。手軽さを重視するならUSBマイク、音質と拡張性を重視するならXLR構成が向いています。XLRとは、3本のピンで信号を送るバランス接続の業務用端子のことです。USBマイクはパソコンに直接つなげる一方、XLRマイクは別途I/Fが要ります。

自分の配信スタイルから逆算する

雑談・歌・ゲーム・収録など、配信スタイルによって必要十分な構成は変わります。編集部が小規模ライブハウスの配信を手伝った際も、最初に整理したのは「何本のマイクを同時に扱うか」でした。一人の雑談配信ならUSBマイク1本で足りる場面が多く、複数人の収録になるとミキサーが視野に入ります。

配信用マイクのおすすめ|SHURE MV7とSM7Bの選び分け

配信ではダイナミックマイクが扱いやすく、SHURE MV7とSM7Bが現場の定番です。両機ともカーディオイド(単一指向性)のダイナミックマイクで、正面の声を中心に拾い、背後の物音を拾いにくい特性を持ちます。USB完結で始めたいならMV7、定番の音と引き換えにゲインへ気を配れるならSM7Bが選択肢に入ります。

まずはダイナミックマイクが配信向きな理由

ダイナミックマイクは、感度が抑えめで環境ノイズを拾いにくく、自宅配信に向いています。コンデンサーマイクは微細な音まで拾える反面、エアコンやキーボードの音まで拾いやすく、ファンタム電源も必要になります。ファンタム電源(Phantom Power、48V)とは、コンデンサーマイクを動かすためにI/Fやミキサーから供給する電源のことです。ダイナミックマイクはこの電源が不要で、配線も判断もシンプルになります。

SHURE MV7:USB・XLR両対応で乗り換えやすい一本

SHURE MV7は、USBとXLRの両出力を備えたカーディオイドダイナミックマイクで、I/Fなしでも始められ後からXLRへ移行できます。SHUREの公式仕様では、周波数特性は50Hz〜16kHz、XLR接続時の感度は-55dBV/Paとされています。USB接続ならパソコンに直結でき、将来XLR構成へ進んでも同じマイクを使い続けられる点が、乗り換えやすさにつながります。

SHURE MV7

SHURE MV7

価格・在庫はリンク先(サウンドハウス)でご確認ください。

SHURE SM7B:定番だが「ゲイン」に注意が必要

SHURE SM7Bは収録現場の定番ですが、出力が低く、運用には十分なゲインが要ります。ゲインとは、マイクの弱い信号を増幅する量のことです。SHUREの公式仕様書では、出力感度は1kHzで-59.0dBV/Paとされ、一般的な使用では+60dB以上のマイクプリアンプのゲインが推奨されています。手持ちのI/Fが+50dB程度しか出ない場合は、インラインプリアンプ(クリーンなゲインを足す小型機材)の併用が現実的です。

SHURE SM7B

SHURE SM7B

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オーディオインターフェースのおすすめ|Scarlett SoloとUA Volt 176

I/FはXLRマイクをパソコンにつなぐ要であり、配信ではループバック対応が選定軸になります。Focusrite Scarlett SoloはマイクとギターをそれぞれXLR・Hi-Z入力で扱えるシンプルな構成、UA Volt 176はアナログのコンプとマイクプリで音作りを足せる構成です。どちらも公式仕様で24bit/192kHzに対応します。

図:Scarlett Solo と Volt 176 の構成比較
Focusrite Scarlett Solo
  • 2in/2out・USB-C
  • XLRマイク+Hi-Z楽器を各1系統
  • 24bit/192kHz・ループバック対応
  • シンプルな1本録り構成に向く
Universal Audio Volt 176
  • 1in/2out・USB-C
  • 1176系FETコンプを内蔵
  • 610スタイルのマイクプリモード
  • 声に質感を足したい層に向く

I/Fとは何か、配信で何を担うのか

I/Fは、アナログの音声をデジタルに変換してパソコンへ送り、同時にゲイン調整やファンタム電源供給を担う機材です。XLRマイクの信号はそのままではパソコンに入れられないため、配信でXLRマイクを使うならI/Fが要ります。多くの配信向けI/Fは、PC内の音とマイク音をまとめて配信ソフトへ返すループバックにも対応します。

Focusrite Scarlett Solo:シンプルな1本録り構成に

Focusrite Scarlett Soloは、マイク1本とギター1本を同時に扱える2in/2outのUSB-C接続I/Fです。Focusriteの公式情報によると、24bit/192kHzのAD/DA変換に対応し、XLRのマイク入力とHi-Zの楽器入力を各1系統備え、ループバック機能も搭載します。一人で声と楽器を録るソロ配信に向く一方、複数マイクを同時に扱う用途には入力数が足りません。

Focusrite Scarlett Solo (4th gen)

Focusrite Scarlett Solo (4th gen)

価格・在庫はリンク先(サウンドハウス)でご確認ください。

UA Volt 176:アナログ質感を足せる一台

UA Volt 176は、1176系のFETコンプレッサーをアナログ搭載した1in/2outのUSB-C接続I/Fです。Universal Audioの公式情報では、24bit/192kHzに対応し、610スタイルのマイクプリモードと、押しボタン式の1176由来コンプを内蔵するとされています。声に質感を足したい層に向きますが、入力は1系統のため、複数音源を同時に扱う配信には別の構成が要ります。

Universal Audio Volt 176

Universal Audio Volt 176

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ループバックで選ぶなら何を見るか

ループバックとは、パソコン内の音声とマイク音声をミックスして配信ソフトへ送る機能のことです。BGMやゲーム音を配信に乗せたい場合に重宝します。Scarlett SoloやVolt 176もソフト上でループバックを扱えますが、ハードのつまみで直感的に操作したいなら、ループバックを内蔵するYAMAHA AG03MK2のような配信特化機も比較対象に入ります。

ミキサーとモニタースピーカーのおすすめ|MG10XUとHS5

複数の音源をまとめるならミキサー、音を正しく聴くならモニターが必要です。YAMAHA MG10XUは複数入力を物理つまみでまとめる定番卓、YAMAHA HS5は味付けの少ない確認に向くパワードモニターです。一人配信では必須ではありませんが、収録やイベント配信では音を支える縁の下の力持ち。

図:MG10XU+HS5 のデスク構成例
YAMAHA MG10XU(卓)
  • 最大4マイク入力の10ch卓
  • D-PRE/+48V/24種SPX
  • USB 2in/2out(24bit/192kHz)
  • 複数人配信・小規模PAに
YAMAHA HS5(モニター)
  • 5インチ2way・バイアンプ70W
  • 54Hz–30kHz(-10dB)
  • 味付けの少ないフラット志向
  • 配信前の最終確認に

ミキサーが必要になるのはどんな現場か

ミキサーが要るのは、複数のマイクや楽器、外部音源を同時に扱う配信です。編集部がトークイベントの配信を手伝った際も、登壇者3名のマイク音量を即座に整えるためにミキサーが活躍しました。一人の雑談配信ならI/Fだけで足りますが、ゲストや楽器が増えるほど、物理的なつまみでまとめられる利点が効いてきます。

YAMAHA MG10XU:複数入力をまとめる定番卓

YAMAHA MG10XUは、最大4系統のマイク入力を備える10チャンネルのアナログミキサーで、USB接続にも対応します。YAMAHAの公式情報によると、D-PREマイクプリアンプ、+48Vファンタム電源、24種類のSPXデジタルエフェクト、24bit/192kHzのUSBオーディオ機能(2in/2out)を搭載します。AG03MK2が配信特化の小型機であるのに対し、MG10XUは入力数で勝るため、複数人配信や小規模PAにも対応できます。

Yamaha MG10XU

Yamaha MG10XU

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YAMAHA HS5:音を正しく確認するためのモニター

YAMAHA HS5は、5インチのウーファーと1インチのツイーターを備えたバイアンプ方式のパワードモニターです。YAMAHAの公式仕様では、周波数特性は54Hz〜30kHz(-10dB)、低域45W・高域25Wの合計70Wの出力とされています。味付けを抑えたフラットな再生を狙う設計のため、配信前に自分の声のバランスを正しく把握したい場面に向いています。

Yamaha HS5

Yamaha HS5

価格・在庫はリンク先(サウンドハウス)でご確認ください。

予算別の配信機材セット例|スターター・ミドル・プロ志向

予算帯ごとに優先順位は変わります。スターターはUSBマイク完結で音質を底上げし、ミドルはXLRマイクとI/Fで操作性を手に入れ、プロ志向は収録と配信の両立を狙います。価格は変動が大きいため、本記事では金額を断定しません。以下は2026年5月時点の参考であり、実勢価格は各販売店でご確認ください。

図:予算別 配信機材セット例(2026年5月時点の参考)
構成マイクI/F・ミキサーモニター想定する用途
スターターSHURE MV7(USB接続)不要(PC直結)ヘッドホン流用一人の雑談・トーク配信
ミドルSHURE MV7(XLR接続)Focusrite Scarlett Solo または UA Volt 176ヘッドホンまたはHS5歌・楽器を含むソロ配信
プロ志向SHURE SM7B(要十分なゲイン)YAMAHA MG10XUYAMAHA HS5複数人収録・イベント配信
価格は変動するため金額は記載していません。実勢価格は各販売店でご確認ください。

スターター構成:まず音質を底上げする

スターター構成では、USBマイクで完結させ、最小限の投資で配信音質を底上げします。SHURE MV7はUSB接続でパソコンに直結できるため、I/Fを用意しなくても始められます。まず声の通り方を改善したい段階では、機材を増やすより、扱いやすい一本に絞るほうが無難です。

ミドル構成:XLRマイクと操作性を手に入れる

ミドル構成では、MV7のXLR接続にScarlett SoloまたはVolt 176を組み合わせ、XLR構成へ移行します。声に質感を足したいならVolt 176、シンプルに録りたいならScarlett Soloが選択肢です。BGMを配信に乗せたい場合は、各機のループバックの扱い方を事前に確認しておくと運用が安定します。

プロ志向構成:収録と配信を両立させる

プロ志向構成では、SM7Bに十分なゲインのI/FまたはMG10XUを合わせ、モニターにHS5を加えます。前述のとおりSM7Bは-59.0dBV/Paと低出力で、+60dB以上のゲインまたはインラインプリアンプの併用が前提になります。複数人の収録やイベント配信まで見据えるなら、入力数に余裕のあるMG10XUが扱いやすい構成です。

よくある質問

配信機材について、検索でもAIへの質問でもよく挙がる疑問にお答えします。

配信を始めるのに最低限必要な機材は何ですか

最低限必要なのは、マイクとパソコンです。USBマイクを使えばパソコンに直結できるため、追加の機材はほとんど要りません。XLRマイクを使う場合は、別途オーディオインターフェース(I/F)が必要になります。まずはUSBマイクから始め、必要に応じて拡張する進め方が無難です。

USBマイクとXLRマイクはどちらを選べばよいですか

手軽さを重視するならUSBマイク、音質と拡張性を重視するならXLRマイクとI/Fの組み合わせが向いています。USBマイクはパソコンに直結でき、設定もシンプルです。XLRマイクはI/Fが要る分だけ手間が増えますが、機材を組み替えながら長く使える利点があります。

ループバックとは何ですか、なぜ配信に必要なのですか

ループバックとは、パソコン内の音声とマイク音声をミックスして配信ソフトへ送る機能のことです。BGMやゲーム音を、自分の声と一緒に配信へ乗せたいときに使います。多くの配信向けI/Fやミキサーが対応しており、YAMAHA AG03MK2のように内蔵機能として備える機種もあります。

SM7Bを配信で使うときの注意点は何ですか

SHURE SM7Bは出力が低く、十分なゲインを用意する必要があります。SHUREの公式仕様書では出力感度が-59.0dBV/Paとされ、一般的な使用では+60dB以上のマイクプリアンプのゲインが推奨されています。手持ちのI/Fのゲインが足りない場合は、インラインプリアンプの併用を検討すると安定します。

予算3万円から5万円ではどんな構成が組めますか

この予算帯では、USBマイク完結の構成か、SHURE MV7にエントリークラスのI/Fを組み合わせる構成が現実的です。まず一本のマイクで音質を底上げし、後からI/Fやモニターを足していく進め方が向いています。価格は変動するため、具体的な金額は各販売店でご確認ください。

まとめ

最後までお読みいただき、ありがとうございました。配信機材は「マイク→I/F→ミキサー→モニター」という信号の流れに沿って、自分の配信スタイルから逆算して揃えるのが基本です。USBマイクで完結させるか、I/F+XLRマイクで組むかという最初の分岐を押さえれば、過不足のない構成にたどり着けます。本記事の要点を、改めて3つに整理します。

  • 配信機材は信号の流れ「マイク→I/F→ミキサー→モニター」の順で考え、まずUSBマイク完結かI/F+XLR構成かを選ぶのが出発点になる
  • SHURE SM7Bは出力感度-59.0dBV/Paと低く、SHURE公式仕様では+60dB以上のマイクプリアンプのゲインが推奨されるため、ゲイン不足時はインラインプリアンプの併用が現実的である
  • ループバックはPC内音声とマイク音声をミックスして配信ソフトへ送る機能であり、BGMやゲーム音を配信に乗せたい場合はI/Fやミキサーの対応状況を確認するとよい

機材選びで迷ったときは、機種のランキングではなく、自分が同時に扱う音源の数と配信スタイルから逆算してみてください。SHURE MV7・SM7B、Focusrite Scarlett Solo、UA Volt 176、YAMAHA MG10XU、HS5は、いずれも公式仕様の裏づけがある現場の定番です。価格は変動するため、実勢価格は各販売店でご確認のうえ、ご自身の段階に合う一台から始めていただければと思います。

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