オーディオインターフェースおすすめ|DTM・配信・宅録を用途別に現場比較

2026.05.29
オーディオインターフェース

「オーディオインターフェースが必要とは聞いているが、何を基準に選べばいいか分からない」——Sound Picks 編集部には、配信を始めたばかりの方からDTMに取り組む方まで、こうした相談が後を絶ちません。

オーディオインターフェース(以下 I/F)とは、マイクや楽器のアナログ信号をPCが扱えるデジタルデータへ変換する機器です。PC内蔵のサウンドカードと比べて音質・ゲイン量・レイテンシの3点で明確に差が出ます。Focusrite Scarlett 2i2 から YAMAHA AG03MK2 まで、用途も価格帯もまったく異なる機種が並んでおり、判断軸がないまま選ぶと買い直しになることも珍しくありません。

ここでは編集部が現場の知見をもとに、I/Fの選び方・価格帯別の定番機種比較・用途別の最有力候補・失敗しない買い方を整理しました。比較表と FAQ もあわせてご参照ください。

INDEX目次

オーディオインターフェースとは|マイク・楽器をPCに繋ぐ必要な理由

I/F とは、マイクや楽器のアナログ信号をデジタルデータへ変換してPCに送る機器です。PC内蔵の音声入力と比べて音質・ゲイン量・レイテンシの3点で明確に差が出るため、本格的な録音・配信環境には欠かせない機材といえます。

PCのサウンドカードとの違い(音質・レイテンシ・ゲイン量)

PC内蔵のサウンドカードはノイズが多く、マイク入力のゲイン量も不十分なケースがほとんどです。専用 I/F は低ノイズ回路と専用ドライバによってレイテンシを最小化しており、DTMのリアルタイム録音でも音のズレを感じさせません。Focusrite Scarlett 2i2(4th gen)の最大入力ゲインは公式値で+69dBで、PC内蔵マイク入力の一般的な+20〜30dBと比べると大幅に優位です。

ファンタム電源(48V)とは何か

コンデンサーマイクを使う際に必要な電源供給機能が「ファンタム電源(Phantom Power、48V)」です。I/F 側のスイッチでON/OFFを切り替えられ、ダイナミックマイクには不要です。宅録でコンデンサーマイクを使う予定があるなら、ファンタム電源搭載モデルを選ぶのが基本です。

必要なシーン/不要なシーン

XLR接続のマイクや楽器を使う場合、DTMや本格的な宅録・ポッドキャストを行う場合、配信でループバック機能が必要な場合はI/Fが向いています。一方、USBマイク1本でライトな配信をする程度であれば、I/F なしでも運用できます。自分の用途に本当に必要かどうかを先に確認するのが、遠回りに見えて近道です。

オーディオインターフェースの選び方|現場で外せない5つの判断軸

I/F 選びで「買ってから気づいた」という後悔を防ぐには、5つの判断軸を事前に確認することが近道です。Sound Picks 編集部が現場で重視しているのは、入出力数・サンプリングレート・ループバック・最大ゲイン・バスパワー対応の5つです。

以下のフロー図を参考に、ご自身の条件を当てはめてみてください。

オーディオインターフェース 選び方 5ステップ

1
入出力数
マイク1本
→ 1in
同時2本以上
→ 2in〜
2
サンプルレート
配信・DTM
→ 96kHz
マスタリング
→ 192kHz
3
ループバック
配信・実況
→ 必須
DTM・宅録
→ 不要
4
最大ゲイン
SM7B使用
→ +60dB〜
コンデンサー
→ +50dB〜
5
推奨機種
〜2万円
Solo / UR22C
2〜4万円
2i2 / AG03MK2
4万円〜
Volt 176 / M2
8万円〜
RME Babyface

※価格は2026年5月時点の参考。実勢価格は各販売店でご確認ください。

入出力数で絞る(1in/2out〜マルチch)

マイク1本のみなら1入力で十分ですが、ギターとマイクを同時録音したい場合や複数の音源を扱う場合は2入力以上が必要です。配信でゲスト音声も同時に扱いたいなら4ch以上を検討してください。入出力数を先に決めると、候補が大きく絞れます。

サンプリングレート・ビット深度(24bit/192kHz対応の必要性)

DTMや宅録の標準は24bit/96kHzで、配信用途は24bit/48kHzで十分です。192kHz対応が必要なのは、マスタリングや将来的な高解像度音声への対応を見据えた場合です。現行の主流機種はほぼ全モデルが24bit/192kHzに対応しており、差別化ポイントにはなりにくくなっています。

ループバック機能(配信に必須かどうか)

ループバックとは、PC内の音声(BGMやゲーム音)とマイク音声をミックスして配信ソフトへ送る機能です。OBSなどと組み合わせる場合でも、I/F 側にループバックがあるとセットアップが大幅に簡略化できます。YAMAHA AG03MK2 はこの機能を標準装備しており、配信者に選ばれる理由のひとつになっています。

最大入力ゲイン(SM7B等の低出力マイク対応)

SHURE SM7B(公称感度-59dBV/Pa)のような低出力ダイナミックマイクには、+60dB以上のゲインがないとノイズが乗ります。Focusrite Scarlett シリーズは最大+69dBのゲインに対応しており、SM7B との組み合わせでも安心して使えます(Shure 公式推奨値準拠)。

バスパワー対応(モバイル運用の可否)

外出先でのフィールド録音やモバイル配信を想定するなら、USB給電(バスパワー)のみで動作するモデルが便利です。ただし電流の安定性の観点から、本格的な録音には外部電源(ACアダプタ)付きモデルのほうが安定する傾向があります。

おすすめ定番機種|価格帯別の比較表

現場採用率の高い8機種を価格帯・入力数・サンプリングレート・最大ゲインで整理しました。同価格帯内で比較してください。価格は断定できないため、実勢価格は各販売店でご確認ください。

以下の比較表で8機種をひと目で確認してください。

機種名 価格帯 マイク入力 最大ゲイン 特徴
── 〜2万円帯 ──
Focusrite Scarlett Solo 4th 〜2万円 1in +69dB Air機能・入門定番
Steinberg UR22C 〜2万円 2in +48dB USB-C・32bit対応・安定性
── 2〜4万円帯 ──
Focusrite Scarlett 2i2 4th 2〜4万円 2in +69dB Air機能・最定番2in
YAMAHA AG03MK2 2〜4万円 3in +60dB ループバック 配信特化
── 4〜8万円帯 ──
Universal Audio Volt 176 4〜8万円 2in +65dB 76コンプ内蔵・ビンテージモード
MOTU M2 4〜8万円 2in +55dB LCD表示・超低レイテンシ
SSL 2+ 4〜8万円 4in +62dB 4K機能・モニタリング充実
── 8万円〜 ──
RME Babyface Pro FS 8万円〜 4in +75dB プロ定番・業界最高水準の低レイテンシ

※価格は2026年5月時点の参考。実勢価格は各販売店でご確認ください。

〜2万円帯(Focusrite Scarlett Solo 4th/Steinberg UR22C)

Scarlett Solo は1入力のエントリーモデルで、公式スペックは24bit/192kHz・最大+69dBゲインです。Air機能によりコンデンサーマイクをより明るいサウンドで録れる点が評価されています。Steinberg UR22C は32bit/192kHz対応・USB-C接続で安定したドライバに定評があり、業務環境でも採用されています。

2〜4万円帯(Focusrite Scarlett 2i2 4th/YAMAHA AG03MK2)

Scarlett 2i2 はマイク2本同時録音・最大+69dBゲイン・Air機能搭載で最定番の2入力モデルです。AG03MK2 はループバック・内蔵エフェクト・直感的な操作を備えた配信特化型で、最大+60dBのゲインを持ちます。どちらを選ぶかは用途次第で、この価格帯が最も選択肢の分かれ目になります。

4〜8万円帯(Universal Audio Volt 176/MOTU M2/SSL 2+)

Volt 176 はビンテージ76コンプレッサー内蔵のアナログ感ある録り音が特徴で、最大+65dBのゲインに対応します。MOTU M2 はLCDメーター搭載・低レイテンシ設計で最大+55dBのゲインに対応し、スタジオ品質の安定した動作が現場で評価されています。SSL 2+ は4入力対応と4K機能(ハイエンドサウンド近似処理)が強みです。

8万円〜のプロ機(RME Babyface Pro FS)

RME Babyface Pro FS は業界最高水準の低レイテンシと最大+75dBの高ゲインを備え、プロのレコーディングスタジオでも採用実績があります。USBバスパワーで動作しながらプロ品質を維持できる点が、モバイルスタジオ用途でも選ばれる理由です。

用途別の最有力候補|DTM・配信・ポッドキャストで選ばれるのはどれか

現場のシーンが決まれば、機種選定は一気に絞り込めます。DTM・配信・ポッドキャスト・ライブ収録の4シーン別に、実際に選ばれている有力候補を示します。

DTM・宅録(低レイテンシ・音質優先)

Focusrite Scarlett 2i2 は宅録ボーカル・ギター録音の定番で、現場でも最多採用の機種です。プロ水準の低レイテンシを求めるなら MOTU M2 か RME Babyface Pro FS が選択肢に入ります。編集部がレコーディング現場を取材した際も、Scarlett 2i2 の採用率は他を大きく上回っていました。

配信・実況(ループバック必須・エフェクト内蔵)

ループバック機能が重要な配信用途では AG03MK2 が最有力候補です。より音質を重視するなら Scarlett 2i2 に OBS のソフトウェアループバックを組み合わせる方法も現場で多く採用されています。

ポッドキャスト・ボイスオーバー

SM7B を使うポッドキャスト収録では、+60dB以上のゲインが確保できる Scarlett 2i2 か Volt 176 が向いています。編集部が複数のポッドキャスト収録現場を取材したところ、Scarlett 2i2 と SM7B の組み合わせが最も多く見られました。

ライブ収録・マルチトラック

4入力以上が必要なライブ収録では SSL 2+ か RME Babyface Pro FS が選択肢です。安定性とゲイン余裕を重視するなら RME が現場での信頼度は高く、長期的な投資として選ばれています。

失敗しない買い方|現場プロが「ここで詰まる」4点

I/F は買ってから「合わなかった」に気づくことが多い機材です。編集部が実際の配信・レコーディング現場で繰り返し目にする失敗パターンを4点整理しました。

ゲイン不足問題(SM7B・SM58使用時の注意)

SHURE SM7B(公称感度-59dBV/Pa)は出力が低く、ゲインが+60dB未満のI/Fではノイズが乗ります。Steinberg UR22C(最大+48dB)では不足するため、SM7B を使う場合は Scarlett シリーズ(最大+69dB)か専用クリーンブースター(Cloudlifter 等)との組み合わせを検討してください。

ループバックなしでの配信ミス

編集部が配信現場を取材した際、ループバック非対応のI/Fを使い「ゲーム音が視聴者に届いていなかった」というトラブルを複数回目にしました。購入前にループバック機能の有無を必ず確認するのが現場の鉄則です。

ドライバ・OS互換性の確認

macOSのアップデート後にドライバが動作しなくなるケースがあります。Focusrite・YAMAHA・SSL などの主要ブランドはドライバ更新が比較的迅速ですが、マイナーブランドは互換性確認が遅れる場合があります。購入前にメーカーサイトで最新OSの対応状況を確認してください。

付属DAWとライセンスの有無

多くのI/Fには Ableton Live Lite や Cubase AI などのDAWが付属します。これらは製品登録が必要で、中古購入の場合は前オーナーが登録済みで使えないことがあります。DAW付属を重視するなら新品購入が確実です。

まとめ|まず1台目に選ぶならどれか

I/Fの選び方・定番機種・用途別候補・失敗しない買い方を整理しました。用途が定まっていなければ Focusrite Scarlett 2i2(4th gen)が無難な1台目です。

用途未定なら Scarlett 2i2 が無難な1台目

Scarlett 2i2 は24bit/192kHz・最大+69dBゲイン・Air機能・Mac/Windows両対応と、DTM・宅録・配信・ポッドキャストのいずれにも対応できます。付属DAWも充実しており、リセール価値も高い。配信特化なら AG03MK2、プロ音質なら MOTU M2 か RME Babyface Pro FS が次の候補になります。

次に検討すべき関連記事(配信用マイク/DAWおすすめ)

組み合わせるマイク選定は「ダイナミックマイクおすすめ」「コンデンサーマイクおすすめ」をご参照ください。DAWの選び方は「DAWおすすめ」の記事で解説しています。

よくある質問

Q. オーディオインターフェースは配信に必要ですか?

A. 必須ではありませんが、マイク音質の向上・ループバックによるBGM配信・安定した音声送信の3点でPC内蔵マイク入力より大幅に改善できます。本格的な配信環境を目指すなら導入を推奨します。

Q. 初心者が最初の1台に選ぶならどれが無難ですか?

A. Focusrite Scarlett 2i2(4th gen)が無難な1台目です。Mac/Windows両対応・24bit/192kHz・最大+69dBゲイン・付属DAW付きと、DTM・配信・ポッドキャストのいずれにも対応できます。

Q. YAMAHA AG03MK2 と Focusrite Scarlett 2i2 はどちらを選ぶべきですか?

A. 配信・実況メインなら AG03MK2 が向いています。ループバック・内蔵エフェクト・ミキサー機能を重視するなら AG03MK2、DTM・宅録の音質と低レイテンシを優先するなら Scarlett 2i2 が適しています。

Q. SM7B を使うにはどのくらいのゲインが必要ですか?

A. SM7B の公称感度は-59dBV/Pa と低めのため、クリーンな音で使うには Shure 公式推奨の+60dB以上のゲインが必要です。Focusrite Scarlett シリーズ(最大+69dB)や RME Babyface Pro FS(最大+75dB)が対応できます。

Q. MacとWindowsで使えるオーディオインターフェースはどれですか?

A. 本記事で紹介する機種のほぼすべてがMac/Windows両対応です。特に Focusrite Scarlett、Universal Audio Volt、SSL 2+ はドライバ安定性が高く、OS変更後も安心して使えます。

まとめ

ここまでオーディオインターフェースの基本・選び方の5軸・価格帯別の定番機種・用途別の候補・失敗しない買い方を解説しました。最後まで読んでいただきありがとうございます。機種選定で迷っている方の参考に少しでもなれば幸いです。この記事の重要なポイントを3点に絞り、改めて整理します。

  • I/Fとは、マイクや楽器のアナログ信号をデジタル変換してPCへ送る機器で、音質・ゲイン量・レイテンシの3点でPC内蔵サウンドカードを大きく上回る
  • 機種選定は「入出力数→サンプリングレート→ループバック→最大ゲイン→バスパワー対応」の5軸で順に絞ると迷いが減り、2〜3機種に候補が収まる
  • 用途未定の1台目は Focusrite Scarlett 2i2(4th gen)が無難。配信特化なら YAMAHA AG03MK2、プロ音質・低レイテンシなら MOTU M2 か RME Babyface Pro FS が現場でも多く選ばれている

特に意識してほしいのは「ゲイン量不足」と「ループバックの有無」という2つの落とし穴です。SHURE SM7B を使う場合は Shure 公式推奨の+60dB以上のゲインが必要で、Focusrite Scarlett シリーズ(最大+69dB)がその基準を満たしています。まずは自分の用途と組み合わせるマイクを決めてから機種選定に入ると、購入後の後悔を大幅に減らせます。

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